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水(陰)は女性、火(陽)は男性を象徴


「水は方円の器におさまる」といって、水はどんな形の器にも入って一定の形をとどめませんが、陰陽論で言いますと、女性というのは、「水」の本性をもっています。その反対に男性は「火」の本性をもっています。

そして「水」と「火」が結合することによって、すべては完成するのです。
一つだけでは完成することはありません。



「水」(陰)と「火」(陽)が結合することで、すべて完成


これを「孤陽生ぜず、孤陰成らず」といい、男性にしても女性にしても、異性に恵まれない人は、ちょうど太陽が燦々と照り輝いていても、潤いのない砂漠のような土地に植えられた種子みたいなようなもので、いくら滋味のある大地であっても、太陽と水が適度にないため、草木はいくら精魂込めて世話をしても、何も育ってくれないという意味です。


水はいくら集まっても横に広がるだけで立体化しない


それでは「水」の本性とは何かと言いますと、水は絶えることなく流れ変化してとどまることを知らず、そのままでは無情であるということであり、水だけでは形を成しません。すなわち家庭を成さないということです。

水は水平であり、線で言えば横の線で象徴され、常に水平になろうとする性格があり、横に広がって縦に伸びてはいかないものです。二次元の世界のみでの働きであり、立体化しないため、いつがたっても具体的な形には成りえないのです。

横のみの広がりでは、写真と同じように平面だけの世界であって立体的ではなく、具体性がないため、影のようなものであります。影は陰であるため、女性は陰陽で言えば、「陰」にたとえられているのです。


水が立体化するためには、縦に築く堤防が必要


それを一定の形にするためには、その流れを止める堤防が必要であり、その堤防の役割をするのが男性ということになります。

具体的な形にするためには、立体化する必要があり、それが陽の働きであり、その陽の縦の線があって初めて形が立体化して具体化してくるのです。

これらの役割については、すでに『古事記』の中に、女性の神様である伊邪那美命(いざなみのみこと)と男性の神様である伊邪那岐命(いざなぎのみこと)が出てきて象徴的に神話が造られています。

「いざなみ」というのは「波」のことであり、水を象徴しています。
女性は結婚するまでは波のように漂って行き先がはっきりしないため、「水」が本質であります。

それに対して「いざなぎ」は男性の神様で「凪」(なぎ)の働きをして、波立っている心を静かにさせる働きがあります。
ですから、古事記の神話が示すように、男性によって女性の波立ち騒ぐ心が落ち着いて、そこに安定した家庭が造られるということになります。





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