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男はテストステロンという男性ホルモンにより闘争意欲を掻き立てられて生きている生き物です。このテストステロンの1年間の総分泌量は、他の動物に比べ、1年中さかりがついていることを考えてもかなり多いはずです。だから、闘争意欲も他の動物よりもはるかに激しい。その結果、男の意識の中では異変が起こることになります。
それは上下関係を異常なほど意識して生きていくということです。闘争意欲が激しければ、社会には闘争が絶えません。これを防止するために、男は自ら「誰に従うべきか」をつねに考えて生きる動物へと変身していかなければならなかった。そして、男は社会秩序を厳格に守る習性を獲得したのです。 とくに組織が大きければ大きいほど、力が強ければ強いほど、その集団の中では上下関係が厳しくならざるを得ません。だからこそ力の支配する団体である暴力団やテロ組織、軍隊などは上下関係が異常に厳しい。 上位者の命令には絶対服従であり、その命令が人を殺すことであっても、自分が死ぬことがあっても守らなければならないほどです。 これらの男性社会の上下関係の規律は正常な範囲を軽く突破し、果てしなく異常なレベルに近づいています。この異常な世界は女性には到底理解不能でしょう。
しかし、男性は上下関係の厳しさがこれほど異常であるにもかかわらず、誰一人この異常には気付いていません。男性がこれほどまでに異常になれるのも、もちろんテストステロンのおかげであることはいうまでもありません。 上位者に従順であるという習性は、一見長所のように思えますが実はそうではありません。裏を返せば、自分より下位者には理不尽なことを平気でやれることを意味しています。その理不尽さも女性から見れば異常なのです。 男性の中には女性の部下に対しても、「オレの部下であるから少々のことは許されるだろう」と、わけのわからない思考回路で平気で嫌がらせをしてしまう人がいます。そういう人は顔色一つ変えずに女性のお尻を触ったり、性的に辱めるような言葉を何のためらいもなく口にします。 その人にとっては「部下は何があっても絶対に逆らわないはずだ」とインプットされているから、「部下に対する性的嫌がらせは悪いこと」という意識がないのです。 もちろん部下が男性であれば許されることもあるでしょうが、女性からすれば公私混同した上下関係など許せるわけがありません。セクハラと呼ばれているこれらの行為は、十分に犯罪の領域に入っていて、厳しい制裁が下されるべきです。 ところが、セクハラで訴えられた上司は最後まで納得しないで、逆に訴えた女性を逆恨みするケースが多いようです。相手は女性であっても部下であり、「自分に逆らうことは許せないこと」という認識でいる男性がいるからです。このような男性の思考回路は完全に異常です。 異常だということがわからないことが異常なのです。困ったことに、この傾向はほとんどの男性にあるから、女性にとっては大問題になるのです。 ただ、おもしろいことに、立場が逆転すれば男性は手も足も出せなくなります。つまり、女性が上司だったら、お尻どころか指一本も触ることができません。なんとも現金な話ですが、それほど男は上下関係を気にしながら生きている、ということです。 |
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